撹拌機のよくあるトラブル&効果的な対処法
1.空運転による破損
液体を撹拌させるだけの負荷を考慮して設計しているため、空運転させるとモーターや軸、軸受などに異常な負荷がかかり、モーター焼損、撹拌軸の破損、軸受の破損等につながる恐れがあります。バッチ運転後の切り替え時や整備後の再運転時に発生する場合が多いです。
運転切り替え時や試運転時には必ずピット、タンク内の満水チェックを実施して下さい。
空運転を回避するための事前確認をすることが最も重要です。
2.撹拌対象流体の変更による不具合
当初設計時に想定していた撹拌対象物を変更した場合、液体の比重、粘度などの影響により、撹拌不足や回転不良が発生することがあります。撹拌抵抗が大きくなりすぎた場合には、その負荷によって、軸の曲りや撹拌羽根の変形、モーターの破損などが発生する恐れがあります。
また、腐食性をもった液体に変更した場合、各部に錆や腐食が発生する恐れがあります。
撹拌対象物を変更する場合には、製造メーカーに事前相談してください。変更内容によっては改造で対応できず、新規製作が必要になる場合があります。腐食性をもった液体に変更する場合は、耐蝕樹脂をライニングすることで対応できる場合があります。
3.撹拌効率の低下
撹拌羽根に付着物が堆積したり、腐食や摩耗によって、撹拌効率を低下する場合があります。
定期点検により付着物や摩耗、損傷等の有無を確認します。必要に応じて補修や部品交換を実施してください。
4.長期使用による劣化
軸受の損傷や、シール材の劣化によって、異音や振動が発生する可能性があります。
日常点検時に普段と異なった音や振動が発生していないかチェックしてください。早期の対応により、損傷が拡大することを予防できます。