送風機のよくあるトラブル&効果的な対処法
1.異常振動、異常騒音の発生
異物吸い込みによるインペラー破損や、インペラーへのダスト付着によるアンバランス発生によって、インペラーに過大な振れ回り力が発生し、異常な振動騒音につながることがあります。ひどい場合にはケーシングに接触して、ロックする恐れがあります。
ベルト駆動形式の場合、Vベルトの伸びや、ベルト、プーリーの摩耗によってゆるみが発生し、Vベルトがばたついて振動騒音が発生することがあります。
グリス切れによって軸受が損傷した場合にも異常音が発生しますが、放置しておくと軸受焼き付きにつながるため注意が必要です。風量調整用ダンパーを設置している場合は、サージングや脈動が原因となる場合もあります。まれに、架台取付や各部締結ボルトのゆるみが原因になっている場合もあります。
インペラーが破損した場合は、修理もしくは交換が必須です。修理の場合は、回転バランスをとることを忘れないようにしてください。ダスト付着については、定期的な点検清掃をすることでトラブル発生を予防することができます。Vベルトの伸びや摩耗については、ベルトの張り調整や新品への交換が必要です。Vベルトの張り具合については、定期点検が必要です。また軸受部についてもメーカー指定の定期点検を実施し、グリースやオイルの補充を行ってください。ダンパーの調整不良が原因になっている場合は、開度調整やダクト形状変更が必要になる場合があります。
2.風量不足
インバータ駆動式の場合は、回転数の設定ミスやインバータ故障が考えられます。ベルト駆動式の場合は、Vベルトのゆるみによるスリップが原因になる場合があります。
風量調整のためのダンパを設置している場合は、ダンパーコントローラーの故障により、絞りすぎになっているケースもあります。また、ダクトやケーシング内へのダスト付着が原因の場合もあります。
インバータの点検、Vベルトの点検、ダンパーの点検を実施してください。不具合が見つかった場合には、それぞれ修理、交換を実施してください。ダンパの調整不良については、運転条件に応じた適切な開度調整を実施してください。ケーシング内にダスト付着が見られる場合は清掃を実施してください。
3.電動機の異常
湿度過多や粉塵が多いなどの環境の場合、電動機の絶縁不良や腐食が発生することがあります。
設置環境に応じた電動機の選定が重要です。
絶縁不良が腐食が見つかった場合には、専門メーカーの点検を受け、必要に応じて交換を実施してください。トラブル予防のため、水分や粉塵がかからないようカバーをつけたり、専用モーターに交換することも検討してください。