FRPライニングのよくあるトラブル&効果的な対処法
1.ライニングの劣化、破損
経年変化や使用条件の影響により、ライニングにピンホールや光沢、繊維露出、クラック変色、白化、剥離、といったライニングの劣化が発生する場合があります。放置しておくと、ライニング層が剥がれ、母材金属が腐食、摩耗する恐れがあります。
定期的な検査を実施し、劣化の進行度合いを管理してください。表面が劣化していても、内部まで劣化が進んでいなければ大きな問題はありませんが、ピンホールや剥離などが発生した場合は早急な補修が必要です。
2.ライニングの摩耗
母材金属やコンクリートなどの構造物を、摩耗や損傷から保護する目的で施工されたライニングにおいて、使用条件によっては想定外の摩耗、損傷が進行し、母材破損に至る場合があります。
摩耗対策で施工した場合、ライニングは消耗品です。定期的な検査と補修が必要になります。母材構造物を損傷させないために、使用条件に応じたサイクルでの検査を実施してください。
3.耐蝕性の確認不足による損傷
苛性ソーダ・次亜塩素酸ソーダ貯槽に、補強材としてガラス繊維を用いたFRPを使用した場合、補強材が溶出する恐れがあります。
苛性ソーダ貯槽の耐蝕層には、FRP補強材に有機繊維を使用して施工する。
4.現場施工時に天候の影響を大きく受ける
FRPは湿度に敏感で品質に及ぼす影響が大きいため、雨天時には屋外でライニングを施工することができません。
●工事打合せ時に天候に考慮した工期又は工事内容を決定する
工程計画の際、余裕を持った計画を立案し、雨天時対策を決めておく必要があります。