熱交換器のよくあるトラブル&効果的な対処法
1.性能が出ない
設計仕様通りの流体温度、流量がなければ性能は出ません。スケールが伝熱面に付着すると伝熱抵抗になったり、圧力損失となって流量が減少するなどして性能が出ない場合があります。
運転条件が設計資料に準拠しているか確認し、入口温度と出口温度を確認してください。温度に問題が無い場合、流量が足りていません。スケールの付着やポンプの性能低下が疑われるため、内部清掃や機器点検を実施してください。
2.液漏れの発生
流体や熱などの影響がパッキンの経年劣化し、シールできなくなり液漏れが発生します。内部で漏れが発生した場合は目視による点検が困難であるため、予防のため定期的なパッキン交換が必要です。
分解検査を行い、パッキンを交換を実施してください。
3.チューブ内部、プレート間の目詰まり
流体に粉塵、スラリー等が混入している場合、チューブ内を通過できずに目詰まりすることがあります。
内部流路へのスケールの付着が過剰になっても目詰りを発生させます。
また、シリカはスケールとして付着しやすく能力低下の原因になるため、流体の成分を良く把握する必要があります。
シャル&チューブ式の場合は水やエアーによる逆洗や、薬液を使用して洗浄します。プレート式の場合は分解清掃します。
シリカ対策としては、消石灰や炭酸ガスの注入がスケール付着予防に効果的です。
4.プレートの腐食
流体に腐食性物質が入っている場合は材質の選定に注意が必要です。温度条件、圧力条件などにより腐食の発生状況が異なるため、予期せぬ腐食が発生し、液漏れの原因となる場合があります。
プレート交換が必要ですが、運転条件を加味した材料選定を行うことで再発を予防することができます。