金属タンクのよくあるトラブル&効果的な対処法
1.タンク内面の錆発生
内容物が粉体であっても、空気中の水分によって錆が発生する場合があり、タンク内容物の品質を劣化させてしまいます。
エアーラインにドライヤーを設置する。周辺設備工事のもらい錆を防ぐ為、丁寧な養生を実施する。外面には錆び止め塗装を下塗りする。錆の発見された場合は、早急な錆の除去が望ましい。
2.汎用部品劣化による液漏れ
計装機器を使用していない配管ラインにおいては、液漏れの点検は日常の目視点検のみに頼ることになります。貯蔵している薬品の流出時は、薬液の種類によって有害なガスが発生する場合があります。
日常点検を実施してください。定期的なパッキン・バルブ等の交換(推奨1回/年)を行ってください。
3.内面ライニングの剥離
薬品による経年劣化、粉体による摩耗、ピンポールの発生等が原因ですが、放置すると薬液侵入による母材損傷にまで至るおそれがあります。
内面ライニングの定期的なピンホール検査を実施し、劣化具合を点検してください。ピンポールや浮きが発見された場合には早急な補修を実施してください。
4.異質金属の接触による電食
電位差を発生させる組み合わせとなる金属の接触により、電食が発生し、表面腐食、焼け、錆などが発生する可能性があります。
補機類取付座、金具、ボルト等の材質を揃えて選定してください。異質金属接合箇所の水分付着に注意してください。
5.密閉状態でのエアー抜きによるタンクの負圧や、加圧による破損
設計圧力を超える加圧や負圧によりタンク本体の変形、周辺取付機器の破損等が生じる恐れがあります。
ブリーザー弁等、負圧防止機器の設置が有効です。エアー抜きを設置の場合は、目詰まりが発生しないように、定期点検を実施してください。
6.配管サポート不足による、タンクの変形、ノズル部の損傷
樹脂配管と比較すると強度に余裕はありますが、作業時の踏みつけ、ノズル接続先の機器振動等により、タンク本体やノズルが損傷する可能性があります。
作業員が配管に乗らないようガードの設置や、配管サポート、フレキシブルジョイントの追加が有効です。