水処理装置のよくあるトラブル&効果的な対処法
1.ポンプ、ファンの異常
インペラーにスケール等の結晶物、ゴミなどが付着して振動が発生したり、ベアリングの摩耗により異音や振動、固着が発生する場合があります。放置しておくと、ポンプの詰まり、摩耗等の損傷が発生する恐れがあります。また、ポンプにエアーを噛みこんで処理水が循環しなくなる場合があります。
電動機においても、ベアリング摩耗などにより異音や振動が発生する場合もあります。
●日常点検、定期点検の実施
日常点検では液漏れや計装機器の作動チェック、水質の確認などを行います。ポンプ、ファン等の回転機器については振動、騒音の確認を行います。定期検査では製造メーカー指定の検査項目にしたがって点検を実施してください。
2.貯槽類からの液漏れ
配管やパッキンの腐食や経年劣化、締結ボルトの緩み等により、接続部やマンホール、フランジなどから液漏れが発生する場合があります。また、運用年数が長い設備においては、紫外線劣化や周辺環境による影響でFRPやポリエチレン本体が老朽化し、ひび割れや溶接部劣化による漏れが起きる場合もあります。
定期点検など全量排水時に、ピット内部のライニングやエアレーション設備の点検を行います。劣化が見つかった箇所については、早期に補修を行います。
3.ライニング部分の損傷
排水ピットなどで施工されたFRPやゴム等のライニングは、薬品や紫外線などによる影響で劣化し、剥離、ピンポール、薄肉化などの損傷が発生する場合があります。
●配管洗浄や整備、更新
定期的な配管の内部洗浄を実施してください。スケールの堆積による詰りを予防します。
4.計装機器や制御機器の異常
計装機器や制御機器が破損、故障すると、運転管理が出来ず要求通りの水処理ができなく恐れがあります。その場合、有害物質の下水への流出、製品生産ラインのストップ、製品の品質悪化等の問題がおきます。
日常点検、定期検査による予防保全に努めて下さい。
5.サビや腐食による金属、樹脂製品の劣化や故障
現場の腐食性ガスによる錆や劣化により、通常通り運転ができなくなり製造工程に支障がでることがあります。
●塗装による劣化防止対策、部品交換
樹脂製品への塗装、ステンレス素材の採用、錆や腐食の発生個所は早期な処置を実施することにより、設備全体の劣化や補修頻度の低減につなげることができます。